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コーチングマネジメント

図解コーチングマネジメント
伊藤 守

はじめに

環境は急激に変化しています。企業の合併や買収、外資の参入は珍しいことではなくなり、企業は業態を変え、組織はフラット化され、働く人たちの価値観も大きく変化してきています。

これまでのように、外側から波がやってきて、その波に乗ることが期待できない今日、自ら波を起こす創造的で自発的な人材とその育成が求められています。

コーチングとは、会話を重ねることを通して、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、目標に向けての行動を促していくプロセスです。マネージャーが優秀なコーチであれば、コーチングスキルを使って、部下が持っている素質や才能、経験、知識を彼ら自身のリソース(資源)として使えるようにしていけます。「指示」ではなく、会話の質と量によって、彼らの自発的な行動を促すことができるのです。

今求められるマネジメント革命

どうしたら、わかっていることを行動に移すことができるのか?この問題は、組織と個人に向けられた最大のテーマにほかなりません。
人はどのような動機で行動を起こすのか?どのような条件が揃えば行動を変えるのか?

必要なのはアイディアを実行に移すためのアイディア

私たちが知りたいのはそれを実際に実行に移す方法なのです。素晴らしいアイディアやシステムをたくさん耳にしたり目にしてきましたが、具体的にどうしたらそのアイディアを実行に移すことができるのか、それが私たちがもっとも知りたいことなのです。

私たちがもっとも必要としているのは、ユニークなアイディアだけではなく、そのアイディアを行動に移すことのできる、もう一つのアイディアなのです。

行動が伴わないなら、それはアイディアではない

本来、アイディアとは、行動とイコールのものです。コンピタンシーをつくる過程が、すでにコンピタンシーの実践になっているというのが、現実的だったのです。

双方向のコミュニケーションによって課題を解決するのがコーチング

どうやったら、行動を起こし、行動を変えていくことができるのか、この課題に対して、いち早くコーチをつけるという知恵を見出したのはスポーツ選手でした。すなわち、ひとりでは管理しきれない課題と情報を、コーチとの間で解決していこうとしたのです。

しかし最近になって、一方的に教えるだけでは、選手がその技術や知識をそのまま活かせないということがわかってきました。選手がアイディアを活かすためには、それを使う本人が、みずからそのアイディアを見つけ出す過程を踏むことが必要だったのです。

コーチは教えるのではなく、質問し、ともに歩む

結果は予想以上のものでした。このスキーのコーチは、プロのテニスコーチよりも教えるのがうまかったのです。実は教えるというのは正確な表現ではなく、彼はコーチングをしたのです。もちろんテニスの腕は素人ですが、生徒から「引き出す」ことや、生徒に「気づき」をもたらすことに関しては十分有能なコーチであったわけです。

テニスのコーチは「ボールを見て」と言いますが、彼は「ボールを見て」とは言わずに「ボールはどんな回転をしていますか?」と生徒に尋ねました。すると、本来見えない回転を見ようとするため、結果として、生徒はよくボールを見ることになったのです。

クライアントが目標をより早く、より大きく達成するためには、もちろん知識も技術もツールも必要です。しかし、それを全部コーチが与えるわけでありません。コーチはクライアントと一緒に知識や技術の棚卸しをし、どんな知識が必要なのか、どんな技術が必要なのかを見つけ出し、それがどこで手に入るのか、どうやったら身につけることができるかを具体的にしていきます。
つまりコーチ自身は教えるのではなく、クライアントに「目標を達成するために必要な知識や技術、ツールを備えさせる」のです。このプロセスをコーチングといいます。

教えるのではなく、引き出し、考えさせる

名選手が名コーチになるとは限らないのは、一言で言えば「会話」がつくり出せないからです。つまり、相手の話を聞かないからです。

どんなに素晴らしい技術を持っていたとしても、それを選手に伝えることができなければ意味がありません。また、その技術を選手が使えるようにするためには、一方通行の押しつけではうまくいきません。

放任と「任せる」は似て非なるものです。放任されてしまえば、自分の仕事や行動に対するフィードバックもなくなりますから、部下は成長の機会を失ってしまうことになるでしょう。

コーチングとティーチングは違います。コーチングは教えるのではなく、相手の自発的な行動を引き出し、考えさせます。ここに、マネジメントクラスの人たちがコーチングを学ぶべき理由があります。

コーチはともに未来をつくるコークリエーター

コーチとクライアントが同じキャンバスに向かって座り、コーチはクライアントが未来に向けてビジョンを描くのを手伝う、というのがコーチングのイメージです。目標の絵、その過程の絵、自分を取り巻く環境の絵などをあたかも物語を綴るように、キャンバス上で展開させていきます。当然、いくつものストーリーやプロットが同時に進行します。

コーチングは「テーラーメード」のマネジメント

コーチングに求められている背景も、これと同様といえます。画一的な方法で教育しても効果が期待できない。上から押しつけても成果が上がらない。むしろ、部下の才能や能力、そして彼らのやり方・考え方に合わせて教育をした方が効果が上がるという事例が増えてきています。

ロジカル系の人に「いい感じ?」とか「今どんなビジョンを思い描いていますか?」と聞いても答えられないのです。

誤差を修正しながら、オンゴーイングで常に目標に向かっていく

コーチングは、目標達成のためのプログラムです。

営業における目標は売上数字で示されます。確かに数字はリアリティーがあるように見えますが、それは「シンボル」にすぎません。その背景にあるものや数字ができあがる過程が実感できなければ、あるいはそれと自分との間に関連が持てなければ、営業マンにとって現実味が薄いものと言えるでしょう。自分自身のこととしての現実味がなければ、人は行動を起こしにくいのです。

知識と行動の溝を埋めるために、一対一で双方向のコミュニケーションをとり、アイディアを引き出すためにコーチングスキルを用い、そしてアイディアを行動に移すためのアイディアも引き出される、というこの一連のプロセスがコーチングなのです。

本人のやる気の問題ではなく、上司やコーチの目標達成についての知識の問題

コーチングでは、その人の考え方ややり方に直接かかわるというよりは、むしろ環境を整えることに注意を向けていきます。よい環境があれば、人は自然に動けるようになるからです。自発的に動けるようにするということは、動きたくなるような環境を整えるということです。

コーチがクライアントの「やる気」を直接喚起したり、やる気になれない心理的な問題を探ったりすることは基本的にありません。

人が目標達成に向けて行動し続けるには、たったひとりで目標に挑むというイメージから自由になって、自分には十分なリソースや協力体制があるという実感が必要です。

コーチングの基本とスキル

世の中のさまざまな場に、潜在的に優秀なコーチがいます。彼らは何かを教えるというよりは、相手の意欲を高め、才能を目覚めさせることに長けています。彼らと話していると、「気づき」や「ひらめき」があります。また焦点が絞れて、深く考えたり集中したりすることができるようになります。

「コーチング」というのは、そうしたネーティブコーチが自然に行っていることをリサーチし、標準化してつくられたものです。

現状とあるべき姿のギャップを明確にし、目標を達成していくためのコーチング・フロー

  1. 現状の明確化
  2. 望ましい状態の明確化
  3. 現状と望ましい状態のギャップを引き起こしている理由と背景の発見
  4. 行動計画の立案
  5. フォローと振り返り

ステップ1とステップ2については、できるだけ多くの事実が明らかにされることが求められます。そのため、左に掲げたようなさまざまな領域における膨大な量の詳細なアセスメントが用意されています。

アセスメントをチェックする段階からコーチングは始まっているわけです。実際のところ、コーチングのかなりの部分はアセスメントであるといってもいいでしょう。

「頭でわかっていることと行動とのギャップを埋める」プロセスです。もし、そのギャップの原因を、クライアントが自分で本当に納得して発見することができたら、そのとき自然に行動は起こるものです。

リクエストは物事をはっきりさせ、具体化させるコミュニケーション

コミュニケーションは単なる情報交換ではありません。それは相手に「要求」してゆく行為です。

コーチは、暗にほのめかしたり、意味深長な事を言ったりはしません。相手や自分のプライドを守ることはとても大切なことですが、それよりも、深い信頼関係と正直に話せる空間を開くことを重視します。そのため、リスクは承知で「要求」します。

人はリクエストを受けることで、自分でも気がついていなかった能力や可能性を見出す機会を得ます。いうまでもなく、リクエストは人を行動に駆り立てます。人は基本的に、誰かのリクエストに応えて行動を起こすものなのです。

コーチのコミュニケーションは相手のリクエストを聞き分けることから始まる

不平不満をたくさん言う人がいますが、その背景には何らかの「要求」が隠されている場合が多いのです。

部下やクライアントにとっては、上司やコーチにリクエストをすること自体が、「行動」です。

求められているのは、聞かれることと聞き手としての能力

やがて彼は「自分の話は聞かれていない」と判断します。そして、心理的に負のスパイラルに陥ってしまうのです。聞かれていないと、焦りや不安、孤立感を覚えます。自分の存在価値が下がったように感じます。

十分に聞いてもらい、頭を整理することが、私たちには必要です。同時に、私たち自身が、聞き手としての能力を開発することを求められています。

実際に話を聞いてほしいと思っている人の望みは、ただ「私の話を聞いてほしい」ということだけなのです。

アイディアは、一度外に出さないと認識できない

内面にあったときには本人も気がついていなかったかもしれないアイディアが、誰かとの会話の中でアウトプットされ、具現化されたわけです。もちろん、会話の最中にそれが引き出されるとは限らず、会話に刺激され、後になって、気づきやひらめきとして、言葉やビジョンとして具体化されることも少なくありません。

単に相手に情報を伝達するというだけでなく、自分が何を思っているかを知るという目的が、会話に含まれていることに気づきます。

人は会話を交わし、言葉にしてアウトプットすることで、自分のアイディアを認識することができます。人は、自分の内側の情報を一度外に出さないと認識できないのです。すなわち、話す相手がいなければ、自分の思っていることにも気づくことができません。

聞くということについて少し角度を変えて見れば、部下やクライアントが自分で自分の頭を整理したり、アイディアを引き出すのを手伝おうというスタンスに立つことができます。そして、それはコーチにとって、最も大切なコンピタンシーです。

コミュニケーションとは、相手の聞く能力を変えていくこと

細胞のリセプターも、どんな情報でも取り込むわけではありません。どの情報を取り込むかはすでに選択されています。受信側に発信された情報に対するリセプターがなければ、どんなに有益な情報でも受け取られることはないということです。

自分の子どもが幼稚園に行くようになると、急に黄色い帽子が目に入るようになります。小学校に入るようになると、ランドセルが目に入ってきます。髪を切ろうか迷っているときは、人の髪型ばかりが妙に気になります。

リセプターのある人は自分から情報を取りに行きます。リセプターのない人には話しても通じません。つまり、関係をつくり出すということは、相手のリセプターを開いていくということです。

コミュニケーションとは、相手の聞く能力に働きかけ、聞く能力を変えていくことを意味します。会話の主体は、話し手の側ではなく、聞き手の側にあるのですから。

コントローラー、プロモーター、アナライザー、サポーター

①人も物事も支配していくコントローラータイプ
②人や物事を推進していくプロモータータイプ
③分析を行い、戦略を立てていくアナライザータイプ
④全体を支持していくサポータータイプ

どのタイプにも、得意とする領域もあれば不得意とする領域もあります。ですから、コーチが相手を違うタイプに変えていこうとすることは無意味であるばかりでなく、相手の大きな抵抗を生み出すことにつながります。

部下やクライアントと向かい合ったときに、タイプが何であるかを考えると、相手に対して興味が持てるようになります。また、これまでコミュニケートすることが難しかった相手に対して、別のアプローチができる可能性が生まれます。

自発性を引き出すために的確で刺激的な質問をつくり出す

コーチングで一番大切なことは、クライアントの自発性を引き出すことです。そのために、いかに効果的な質問をつくり出すかが、コーチングのすべてであると言っても過言ではありません。

「なぜ?」は、相手に説明を求める質問であると同時に、責任を迫る意味ももちます。「なぜ?」と聞くと、相手を委縮させ、創造的で積極的な行動を奪います。と同時に、「なぜ?」と聞いているほうも不快になり、問題解決のチャンスを失います。

同じ内容でも、「何が足りなかったんだろう?」「何か気がついたことはなかった?」というように「WHAT?」を使えばオープン・クエスチョンに転化しますし、「どうやったら、同じ失敗を繰り返さないですむと思う?」「次はどういうふうにやる予定?」というように「HOW?」を使うのも有効です。

頭の中で自分にしているクローズド・クエスチョンをオープン・クエスチョンに変えていく

オープンな質問によって、自分でも気づかなかったことに気づくことが多々あります。行き詰ったときでも、新しい視点を持てることがあります。何よりもオープンな質問を受けることで、考えることが楽しくなります。したがって、いかに効果的なオープン・クエスチョンをつくっていくかが、コーチの重要な役割となってくるのです。

ふだん頭の中で自分とどんな会話を交わしているかを観察すると、自分に対してオープン、クローズド、どちらの質問をより多くしているかを知ることができます。
「なぜこうなってしまったんだろう?」「どうしよう?」という会話を頭の中で交わしがちなのか、それとも、「今すぐにやれることは何だろう?」「最終的にはどうしたいのだろうか?」「何を今求められているんだろう?」「誰に相談することができるだろう?」「いつ、それを始めようか?」「過去にはどうやって解決しただろう?」という形で自問しているのかということです。

なぜ売上げが伸びないんだ? → 何が売上げの伸びない障害になっているんだろうか?
なぜ今まで何もしなかったんだ? → これから何をしていけばいいと思う?
どうして相談に来なかったんだ? → 何か手伝えることはないか?

自由に発想を広げていくには、ミドルチャンクのレベルにテーマを定めておく

チャンクダウンして、具体的な行動まで落とし込めば、人は行動を起こすことができます。けれども、チャンクダウンした話ばかり聞いていても面白くなく、展望も開けません。いずれ行き詰ってしまいます。そうかといってチャンクアップが過ぎると、何をすればいいのかわからなくなります。

仕事がつらい → お客さんとの会話がうまくできない → 特に初対面が苦手
仕事が楽しい → 会社にいる人と話すのが楽しい → 隣に好きな人がいる
応援してほしい → ときどき声をかけてほしい → 1日に1回は名前を呼んでほしい

①選択の幅を広げる為 ②リソースを見つけるため ③ビジュアル化するため

選択とは、三つ以上の選択肢が用意されて、はじめて成り立ちます。コーチは必ず、三つ以上の選択肢を見つけ出し、自発的に選択できる状態をセットしなければなりません。

使える資源やアイディアは、クライアントの内側にあるものです。このように、その人の内側にある資源を「リソース」と呼びます。クライアントが必要なリソースを自分の中から見つけ、目標を達成するためには、次のような質問が効果的です。
「一番最近、目標を達成したのはいつですか?」「目標を達成するために、どんな準備をしましたか?」「それを実現するために一番大切なものは何だと思いましたか?」「失敗や挫折をどうやって乗り越えましたか?」

たとえば、「明日から六時に起きる」という目標を立てたとします。でも、これでは情報量が少なすぎます。人が動くためには、まず「情報量」が必要です。そのためにはテキスト情報ではなく、より情報量の多い画像情報を使ったほうが効果的です。

アクナレッジメントと誉めることとは異なる

アクナレッジメント(認めること、相手を受け入れる具体的行為)は、相手の到達点をそのまま口にすることによって、相手が達成感を持つように導く行為です。たとえば、「最後までやったね」とか「はじめて目標を達成したね」といった表現です。

人は自分が行ったことを通して、自分自身が成長し、変化していることを知ります。そして、その事実に喜びを覚え、達成感を抱きます。この自己成長感は、やる気や自発性を強く促すエネルギー源となり、人を結果重視型からプロセス志向型に移行させます。そして、仕事そのものを楽しめるようになります。

コミュニケーションは、「受け入れ」によって完了する

コミュニケーションというものは、いったん始めたら完了させなければなりません。完了させることができないと、どちらかが悔いを残したり、不快感をひきずってしまうことになるからです。

「寒いですね」と言われたら、「寒いですね」と返します。

行動が起こせない理由のひとつに未完了感があります。未完了感が強いと思ったら、気にかけている未完了な事柄を完了させることです。そして、今の会話の一つひとつを完了させていきます。いつでも完了させる能力を持つ人だけが相手に自由に話す機会を提供できます。

指示と同時に、相手を大切に思っているということを伝える

コミュニケートするとき、たったひとつの情報だけを与えると細胞は「アナジー」という状態(一時的な反応不能状態)に陥ります。簡単にいえば動けなくなる状態です。

相手の行動を呼び起こすためには、次のような形で情報を伝達する必要があります。
「勉強しろ」そして、セカンドシグナル「僕は君の味方だ」
「頑張れ」そして、セカンドシグナル「君は僕たちの仲間だ」

ゴールのその先をビジュアライズする

「自分がプロ野球選手のコーチをするとしたら、まず最初に野球をやめた後、何をするかについてコーチしたいですね。彼らは一人ひとりが事業主です。野球に専念するためにも、人生全体がデザインできるようにコーチしたいのです」
この言葉が、ゴールセッティングにおける重要なことのすべて、つまり、人はどんなときにゴールに向けて動き出せるのか、どんな状況で目標を達成しうるのか、を物語っていると思います。

ゴールは通過点にすぎません。したがって、コーチはゴールのその次をビジュアライズさせなければなりません。その「次の次」を見せるのです。これをフューチャーペーシングといいます。フューチャーペーシングによって、クライアントに自分の可能性を自覚させ、トータルに成功できるように導くことができます。

行動を起こすためには、見通しのよさが必要です。言い換えれば、クライアントが未来に向けてどんな物語を用意するのか、どんな価値を優先するのか、未来をどのように予測するのかといった「戦略」を持つことが求められるのです。

ゴールとそれに至る道程をくっきりとビジュアライズしていく

目標を立て、行動を起こすということは、未来を予測して、まだ現実には見たことも聞いたこともない漠然としたものを目指して行動を起こすということです。見えている「もの」を取りにいくのとは根本的に異なります。
したがって、より具体的で鮮明に目標をイメージできるようになることが大切です。見ることができ、聞くことができ、手に取ることができるくらい、目標を具体的にしていく必要があります。

①外部基準をはっきりさせ、数値で表すことができ、客観性があるか
②目標に向かう過程で何を学ぶことができるか
③目標に向かう過程でどんな体験をするか

重要なのは、クライアントに対する質問です。
「これを行うことで、ほかにどんな付加価値が得られますか?」
「具体的に何を学び、どんな体験ができるでしょうか?」

行動プランを練るプロセスでは、目標を達成するためにできることと、その可能性についてブレーンストーミングを起こします。ひとつのアイディアを具体的な形にするために、コーチはクライアントからアイディアを引き出していきます。
「どんなことをしたい?」
「あなたができることは?」
「以前はどのようにした?」
「君の尊敬するビジネスマンならどうすると思う?」
「一番まずいやり方は?」
「誰かアイディアを持っている人を知っている?」

行動プランを練りながら心にビジョンが描かれていく過程は、実にエキサイティングです。まだ見ぬ世界を心に描き、その道程をビジュアライズし、それを地図にして、行動を起こすのですから。

自分のモデルとソフトモデルについて知る

意識しているかどうかにかかわらず、私たちには自分のモデルになる人がいます。そしてその影響を受けています。

無意識にモデルをコピーしていると、よい影響だけでなく悪い影響を受ける可能性もあります。このためコーチングの場では、誰のどの部分をモデルにしているかをはっきりさせてからコピーします。