PMBOKによる説明¶
適応型ライフサイクル(変化駆動手法またはアジャイル手法とも呼ばれる)は、ハイレベルな変更およびステークホルダーの継続的な関与に対応する。適応型手法も反復的かつ漸進的であるが、反復の期間は非常に短く(通常2〜4週間)、時間とコストが固定されているという点で異なっている。適応型プロジェクトでは、一般に、それぞれの反復でいくつかのプロセスを実施するが、初期の反復では計画の活動に重点が置かれる。
プロジェクト全体のスコープは要求事項一式と実施されるべき作業に分解され、プロダクト・バックログとも呼ばれる。反復の開始時に、チームはバックログ・リスト上の最優先項目のうち何項目を次の反復で納入できるかを決める。それぞれの反復終了時に、プロダクトは顧客がレビューできる状態でなければならない。これは顧客がプロダクトの納入を受け入れる必要があるという意味ではなく、プロダクトが未完了であったり、不完全であったり、または使用不能な特性があってはならないということである。スポンサーと顧客担当者は、プロジェクトへ継続的に関与すべきであり、創られた成果物のフィードバックを提供し、プロダクトのバックログが現在のニーズを反映しているか確認する。
適応型手法は、一般に、変化の激しい環境へ対応する場合、要求事項とスコープを事前に定義することが難しい場合、およびステークホルダーに価値を提供するために細かい漸進的な改善の定義が可能な場合、に選択される。
3つの成果物¶
- プロダクトバックログ
- スプリントバックログ
- プロダクトインクリメント
3つの役割¶
プロダクトオーナー(PO) - Whatを受け持つ
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- リソース計画
- 製品の予算管理
- マーケットリスク
- ステークホルダーからの要求管理
- 計測
- 依存関係の解決
- スコープ
- ROI/収益の実現
スクラムマスター(SM) - Processを受け持つ
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- 仕事やムダの可視化
- 対立の解決
- チームのモチベーション
- 障害の追跡と除去
- イベント成果物への集中
- 依存関係の可視化
チーム(T) - Howを受け持つ
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- チームの構成
- スケジュール
- 技術的リスク
- リーンなドキュメント
- 作業計画
- 品質/技術的負債
(マネージメント) - 各役割を全うできるように担保する
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- 会社レベルの会計管理
- 投資家への報告
- ビジネス上のリスク管理
- 調達・契約
- 採用・解雇
- 障害の除去
- 戦略策定
5つのイベント¶
プロダクトバックログリファインメント - 毎週3時間:T、SM、PO
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- POは順序を最終決定する権限を持つ
- ストーリーマップをバックログに移動する
- 誰でも、なんでもバックログに入れてよい
- ユーザーストーリーの詳細化
- ユーザーストーリーの分割
- バックログをREADYにする
スプリントプランニング - 毎週2時間:T、SM、PO
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- ベロシティーをレビューして、キャパシティを決める
- スプリントレビューで何をデモするかのゴールを設定する
- 議論して受け入れ条件を決める
- ストーリーに対するタスクをチームで作る
デイリースクラム - 毎日15分間:T、SM
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- ゴールのために何をしたのか
- ゴールのために何をするのか
- ゴールの邪魔になるものを目にしたか
スプリントレビュー - 毎週1時間:T、SM、PO、ステークホルダー
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- チームは新しい価値をステークホルダーにデモする
- 未完成のストーリーは無視する
- ステークホルダーから直接フィードバックをもらう
スプリントレトロスペクティブ - 毎週45分間:T、SM、PO
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- スプリントで何があったかを書き出す
- KPTをして次のスプリントでする改善を1つ選ぶ
よいユーザーストーリー¶
- 独立して直ちに実行可能
- 調整可能
- 価値がある
- 見積もれる
- 小さい
- テスト可能
READYのバックログ¶
- ビジネス価値を明確に記述してある
- WHATの詳細をチームが十分に理解している
- 依存関係がわかっており、ストーリーの完成を阻害するような外部の依存関係はない
- 実現に必要な情報がそろっている。スペック、ワイヤフレームなど
- 仕事を完遂するのに必要なスキルをチームが有しているか、これから獲得する
- ストーリーがINVESTを満たしている
- 受け入れ条件が明確であり、テスト可能である
- パフォーマンス条件があるならば、定義されており、テスト可能である
- スクラムチームがストーリーをどうやってスプリントレビューでデモするか理解している
プランニングポーカー¶
- 出た数が4つ以上にまたがっている時、選んだ根拠を説明する
- 連続する3つの数の範囲に収まったら、合計して平均を出す
- 3回目で、最大と最小を除外して、平均を出す
- 議論や擦り合せは不要、コンセンサスを目指しているわけではない
リリース計画¶
- 1スプリント分のREADYなバックログを用意する -
チームが着手できる
- 2スプリント分のREADYなバックログを用意する -
スプリント毎にチームの生産性が上がる
- リリース計画を作る -
カスタマーが期日を信用できる、会社は売り上げを予測できる
- 1年間のロードマップを作る -
カスタマーが会社の戦略を知る、会社は明確なビジョンを持つ