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プロマネはなぜチームを壊すのか 伊藤 健太郎 |
・成功するチーム (ベルビンのチームロールモデル)
プラント - 創造力があり困難な問題を解決できる人
モニター - 優れた戦略的判断力持つ人
コーディネーター - 優れた議事進行者で、明確な目標を示し意思決定を促すことができる人
資源探索者 - 外交的で熱中しやすく、好機を探る人
実行者 - 有能で頼りがいがあり、アイデアを実行に移せる人
補完的完成者 - 勤勉で誠実な仕事を納期通りに行う人。また自分や他者の誤りや手抜きに厳密な人
チームワーカー - 協調性があり、もめごとを避けるタイプだが、人の話をよく聞き築き上げる人
形づくる人 - 挑戦的で、精力的に障害に立ち向かっていける人
スペシャリスト - 特定分野の知識やノウハウをもつエキスパート
・壊れたチームの状況
メンバーが自分の業務以外に協力しようとしない
プロジェクトの結果に関してメンバーが無関心
プロジェクトの成功が何を意味するかをメンバーが知らない
メンバーが成功に向けて自らコントロールしない
メンバーが自分以外に興味がない
他のメンバーの改善点に気づいても話をしない
プロジェクトマネージャの責任とはマネージャ自身の内側に存在するものであり、どこまで責任があるかという本人の認識である。
・プロジェクトマネージャのパワー
公式: 肩書き 地位
非公式: リーダーシップ 実務能力
・非公式なパワー
メンバー関係者で協力関係を築き維持する力
部門との対立を調整する力
関係者からの信頼
・チーム編成の考慮事項
目標
成果物
戦略的重要性
サイズ/複雑性/新規性
どのようなスキルのメンバー
チーム以外の組織との関連
・効果的運営のために
メンバーの役割と責任範囲
プロジェクトの成功と個人の成功
パフォーマンスの測定
チームのインセンティブ
プロジェクト進行に伴う役割の変化
・ram(責任分担表)
スケジュール
基本設計
詳細設計
製造
テスト
報告書
・生産的なコンフリクト シナジー効果
建設的コメントの応報
反対意見の表明
プロ同士の専門的意見の交換
真剣な議論
・teamの頭文字
trust 信頼が一番
effective communication
action oriented 行動志向
mix knowledge 知識を合わせる
個人的信頼 正直、約束を守る
専門的信頼 専門性があり、自分の見解を確かな情報で裏付けできる
構造的信頼 個人的な目標や利害の影響のない人 中立的であること
私の仕事ではないとか押し付け合う事態が起きる。
細分化したたくさんの作業を割り当てるのに気を取られ、責任範囲、つまり何に責任を担っているのかが曖昧なときによく起きます。
x理論 人は怠け者、罰と報酬が効果的
y理論 人は働きたい意思がある、目標設定や権限移譲が効果的
y理論が適切なメンバーにx理論を適用していないかチェックするべき。
・ハイパフォーマンスチームのイメージ
息が合っている
仲間意識が強い(助け合う)
仕事を楽しんでいる
・本当のハイパフォーマンスチームとは
ハイパフォーマンスチームとは、プロジェクトの計画通りまたはそれ以上の成果が出ている状態
途中経過がいくら順調でも成功したとは言えない。よって、成功に向けてコントロールできている必要がある。
チームのパフォーマンスは変化する、パフォーマンスを把握して成功に向けて修正する必要がある。
・パフォーマンスの評価軸
目標を把握しておりコミットしてる
成果を出すことに集中してる
目標達成を優先してる
仕事に対する責任感がある
メンバーの相互に効率的な業務依存
メンバーを信頼できる
躍動感や情熱がある
・チームの形成過程 (必ず上から順に形成されていく)
forming チーム形成
storming 嵐の状態
norming 規範
performing 高パフォーマンス
adjouring チームの解散
※ すべての過程で適切な対応をする必要がある
・チームビルディングのステップ
個人の集合 自分の事を優先する
グループ 指示に従い自発的行動をしない
チーム お互いに相互依存してる
・チームの業務環境
チームワークに大切な価値観を置く
役職をわすれ成功のために協力する
個人業績よりチーム業績
全員が情報にアクセスできる
パフォーマンスが上がる場所でやる
既存のルールをなくして自由にする
自由な発想で誰も不可能と言わない
言葉に気遣うことなく率直に会話
・和を強調するチームの落とし穴
仲良くしてるふりをしているが、パフォーマンスが低い。逆にケンカしているように見えて根本で繋がっている事もある。
和を強調しすぎると意見を言わない表面的に和が保たれているチームになる。
・組織が提供すべきサポート
プロジェクトが成功させることはプロマネの責任、失敗してもプロマネの責任。という風潮があるが、できる限り多くのプロジェクトを成功させるためにサポートをしたほうが良い。
プロジェクト難易度はサイズ×不確実性
マネジメント能力はスキル知識行動特性
これを掛けるとサポートがどの程度必要かわかる。
クラスわけして能力による担当とサポートの表が作れる。
・PMO
プロジェクトサポート 計画やリスクを監査しアドバイスやレビューをする
プロジェクト方法論策定 手順書やチェックリストを作成し提供する 形式的ではだめで活用できるもの
メンター機能 外部の相談窓口の設定、相談内容を口外することはない
ノウハウとプラクティスの提供 他のプロジェクトのノウハウやプラクティスがデータベース化され誰もが利用できる
プロジェクトマネージャーの評価育成 メンバーとして査定員が入り評価に関わる
戦略的経営サポート 経営陣の意思決定をサポートする、プロジェクトの優先順位やプロジェクト選定に経営陣が必要とする資料を作成したりする
多くのプロジェクトマネージャーは自分でメンバーを選定できない、複数のプロジェクトが走ってるので、難易度が低いプロジェクトに最高レベルの人材を投入して難易度が高いプロジェクトが失敗しては全体でマイナスになる。
・組織によるプロジェクトメンバー選定の留意点
成果物を作成していく上で必要なスキルや能力を明確にして選定する
技術スキルのみではなくチームワークもみる。
もし自己中心的な人物が技術スキルを保有している場合は技術アドバイザーとする。
メンバーは固定と考えず、成功のためには流動させる。
・ライン業務とプロジェクト業務の違い
継続的か一時的か
同じ職種か様々な職種か
メンバーが固定か変わるか
不確実性が低いか高いか
決められたプロセスかそうでないか
ラインマネージャーがプロジェクトマネージャーを要求されたら、メンバーをプロジェクトマネージャーに任命しなければうまくいかない
プロジェクトマネージャーは優秀であるより本物である事が必要である。
混沌として今のままでは失敗してしまうと言うときが真価を発揮する。
・本物のプロジェクトマネージャー
プロジェクトマネジメントの柔軟な適用
ステークホルダーに影響を与える人間力
・プロジェクトマネジメント
プロジェクトの成功を定義し記載
実施作業を計画にする
ステークホルダーと認識を合わせるために内容とWBSを作成
納期までに完了するためにスケジュール管理をする
適切な情報を扱うためにステークホルダーの分析をする
リスク対策表を作成する
変更管理プロセスを策定する
など
プロジェクトマネージャーの人間力とはステークホルダーに影響力を持ち、成功に向けた行動を関係者が行うように仕向ける力
・人間力の要素
正直である 不満があれば率直に
信頼できる 約束を守り専門性がある
コミュニケーション 文書と口頭、積極的に聞く
責任感がある 自分の責を考えれる
結果志向である 成功のために要求を落とす
正しい意思決定 メンバーに耳を傾けれる
ネゴシエーション スケジュール優先順位リソースをステークホルダーと交渉する
※ 交渉の源泉は責任感熱意勇気実績確かなデータに基づく説明
上層部サポートなど 統合型交渉をする
柔軟性がある 変更する方が望ましい場合に変更する
コンフリクトを恐れない 部門ごとの要求など、コンフリクトは付き物
ユーモアがある 休むと私がいなくても上手く行くことがバレてしまう
ハッピーエンドの映画監督 今が大変でもハッピーエンドだと思えば乗り越えられる
モチベーションを考える 話し合い原因を特定する
気概がある 反感を恐れないで正しいと思うことを進める気持ち
権限委譲ができる やる気のあるメンバーには効果的
リーダーシップ 意思があるところに道がある